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My JAZZ Journey in 2019

2019年、特に心を打たれたアルバム、ライブの私的まとめ。

December 28th, 2019

Best Albums

1. Hiromi: Spectrum

 後述したが、ライブに参加したほど感動したアルバム。Hiromiの久々のピアノソロアルバム。このアルバムには彼女の音楽が強く凝縮している。JAZZのみならず、クラシック、ロックなどからも楽曲や要素を取り込んでいる。彼女はそれらの音楽を独自に解釈して、絶妙なバランス感をもって一枚のアルバムに結集している。アルバム名の通り自分というインターフェースを通して虹色の音楽が紡ぎ出される。まさに"Spectrum"という言葉がぴったりのアルバムだ。

2. Brad Mehldau: Finding Gabriel

 "Finding Gabriel"は2019年のJAZZ部門におけるグラミー賞にもノミネートされた。Mehldauの様々な楽器を用いた演奏をはじめ、Mark Guilianaのドラム、音としてのコーラス、「言葉」等が、一定の調和(ハーモニー)を持って巧みに展開していく。このアルバムは聖書からインスピレーションを受けて制作されており、サラッと聞ける音楽でもなければ、単一の解釈ができる代物でもない。また、Mehldau自身の社会や政治に対するメッセージも強く込められており、聞く人は幅広い解釈を可能とされている。是非音楽を聞いた後に専門家の批評を読むことをお勧めしたい。私の一押しは"The Prophet Is a Fool"。

3. Ezra Collective: You Can't Steal My Joy

ロンドンの新しいジャズの流れを汲むEzra Collectiveのアルバム。彼らの音楽はもはや既存のジャズという音楽ジャンルでは捉えられない。ダンスミュージックやAfrobeatの強い影響を感じる一方で、アルバムの音楽自体は非常に綺麗にまとまっている。だからと言って音楽は軽くならず、むしろ安定感と重厚感を持った還元されたGrooveを感じる。いかにノレる音楽を作れるのかという自由研究をして行った結果行き着いた最終到達点というような印象を受けた。Fela Kutiの"Shakara"をKokorokoとカバーしたアルバムの最終曲が一番好き。

4. Steam Down: Free My Skin

 今年Steam Downの音楽に初めて触れた。重厚なベースライン、唸るオルガン、テンポの早いAfrobeatが溶け合って、エネルギーが溢れ出てくる。Steam DownもEzra Collective同様、ロンドンのジャズシーンを担う新進気鋭のアーティスト集団であり、同様にロンドンで毎週行われる音楽イベントの名前でもある。ジャズという枠のみで捉えようとすることがそもそも不可能だとは思うが、とにかく楽しい、そしてノレる。結局音楽はそこに尽きるのかもしれない。

Live

1. Kamasi Washington

 最初の一瞬で倍音の多い複雑な音色とその音圧に圧倒され、一気に引き込まれた。まるで一瞬気を失って違う世界観に飛ばされたようだった。彼の音楽には聞いている人を強制的に巻き込んでいく引力がある。個人的には"Fists of Fury"と"Malcom's Theme"が最高だった。ただ、会場がNHKホール、私の席は3階で、音の残響、反響が少し強すぎたかもなという感じもした。次に聞く時には小さなライブハウスや野外の演奏も聞きたい。

2. Candy Dulfer

 音楽、ライブパフォーマンスも期待通り楽しめた。Candyらしく軽快でPOPなファンクを聞けて良かった。当日Hans Dulferが病気で欠席だったのが少し残念だった。ホーンセクションがもう少し分厚ければ、良くも悪くもライブの体験が変わっただろう。好きな曲としては、"Pick up the pieces"がやはり良かった。ライブならではのインプロビゼーションの掛け合いが、最高に楽しかった。

3. Hiromi

 彼女がPianoを弾いている間は、時間の流れも変わるようだった。ライブはすみだトリフォニーホールで開催され、PAなしのピアノソロというストロングスタイル。この形式だったからこそ、彼女の弾く音の一粒一粒が虹色の輝きを放ち、演奏者の技巧、曲の構成力、インプロビゼーションの力と合わさって、「本物」の芸術を感じることができた。彼女の音楽は聞いている人の心の深いところにある記憶を呼び起こし、それぞれが憧憬する景色を描くと感じた。全曲素晴らしかったが、"Whiteout"と"Rhapsody in Various Shades of Blue"が特に素晴らしかった。

4. デルフトのジャズバーで聞いたバンドのライブ

 オランダのデルフトに行った際、留学している彼女、彼女の友達とともに、地元のジャズバーに行った。そこで聞いたバンドの演奏が心に残っている。ミュージシャンとオーディエンスの距離感が近く、場で一緒に音楽を楽しむことができた。非常に心地よかった。

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© Hiroki Kameyama